豊かですよ!

神社仏閣!御朱印!観光スポット!

相続しちゃったのにやっぱり生きていたとかやめて欲しいよね!失踪宣告ぅ☆!

 

【スポンサーリンク】

みなさま、ごきげんよう

おなじみ、人目にあまり触れない時間帯にひっそり行う深夜の民法講座です。

f:id:asasikibu:20161108012818j:plain

 

 

▼なんでこんな連載書いてるんですかと思った人用

asasikibu.hatenablog.com

 

 

▼前回のテーマは権利能力でした

asasikibu.hatenablog.com

 

 

今回のテーマは、失踪宣告です。 

内容が失踪であり、深夜という時間帯も相まって、すっかりあやしいブログですね!!!!さあ、元気に参りましょう!!

 

 

1―β 失踪宣告

1 失踪宣告とは

生死不明の状態が継続している者につき、要件を満たす場合に裁判所が失踪宣告をし、死亡したものとみなすことで、法律関係を安定させる制度のことをいいます。

普通失踪(30条1項)と、特別失踪(30条2項)の2つがあります。

 

2 失踪宣告の要件

(1) 普通失踪(30条1項)

 最後の音信から7年間生死不明であり、利害関係人が請求した場合。

 

(2) 特別失踪(30条2項)

 危難が去ったときから1年間生死不明であり、利害関係人が請求した場合。

 

◆「利害関係人」とは

上記の「利害関係人」に検察官は含まれません

家族が生きていると信じているのに、身内でもない検察官が、死んでいるとみなすための請求をする、というのは認めるべきではないからです。

ただし、財産管理は検察官も請求できます(25条を引いてね)

 

(3) 失踪宣告の効果

失踪者が死亡したのと同じ扱いがされます。相続を開始させたり、再婚ができるようになります。

 

・普通失踪の場合は7年の期間満了時

・特別失踪の場合は危難が去ったとき

が効力の発生時点です。

 

失踪宣告は、もとの生活に関する法律関係を、死亡したものとして整理するだけの制度です。

失踪者の権利能力自体が、消滅するわけではありません。

 

 

(4) 失踪宣告の取消(32条1項)

失踪者がやっぱり生きていたと分かった場合、もしくは、死亡時期が宣告と違うことが分かった場合、既に出された失踪宣告の効力はどうなっちゃうのでしょうか。

この場合、当然に失踪宣告の効力が失われるのではなく、取消の手続を経て初めて効力が失われます。

 

(認定死亡の場合は当然に効力を失います)

 

ア 失踪宣告の取消の要件(32条1項)

 ①「失踪者が生存すること」又は「前条に規定する時と異なる時に死亡したこと」の証明があったとき

 ②「本人又は利害関係人の請求」

 

 

 この「利害関係人」に検察官は含まれないので、職権で失踪宣告の取消請求をすることはできません

 

失踪宣告により、新しい生活をスタートさせた家族がこのままでいいと言っているのに、身内でもない検察官に、その意向を無視して取消の請求をされても、勘弁してくれって感じだからです。

 

 

イ 失踪宣告の取消しの効果

失踪宣告が取り消されると、原則、失踪宣告はなかったことになります。

しかし、それを貫くと失踪宣告に基づいて新しく作られた関係をも無かったこととなるので、損害を被る者が出てきます。

 

例えば、既に再婚し新しい家族が出来た配偶者や、相続をして得た財産を全て浪費してしまった相続人等がそうです。

f:id:asasikibu:20161111024329p:plain

www.facebook.com/tonynguyenstudio

 

 

そこで例外として、32条2項、32条1項後段が設けられました。

 

①失踪宣告によって「財産を得た者」は、権利を失う。

ただし、現に利益を受けている限度で返還すればよい。(32条2項)

 

②失踪宣告後、その取消し前に善意でした行為に影響はなく、依然有効とされる。(31条1項後段)

 

 

上記①の「現に利益を受けている限度」を、現存利益と呼んだりします。

現存利益には、本来使うはずの金銭を使わずに、浮いた分も含まれます。

f:id:asasikibu:20161111032230p:plain

 

したがって、失踪宣告により開始した相続で得た金銭を、浪費していた場合、現存利益はないとされ、返還不要となります。

しかし、生活費として使用していた場合は、現存利益ありとして、返還が必要になってしまいます。

 

 

Q「財産を得た者」(32条2項)とは

宣告によって直接財産を得た者をいうので、転得者は含まれません

宣告によって直接財産を得た者とは、宣告後に何らかの行為をすることなく、財産を得た者のことで、相続人保険金を受け取った者のことを指しています。

 

Q 32条2項は、悪意者にも適用してあげちゃうの?

同条項は、善意者にのみ適用されます。悪意者まで保護してあげる必要はないからです。

悪意者の場合は、現存利益とは無関係に、全額返還しなくてはなりません。

その金銭の返還請求は、通常の不当利得返還請求と変わりがないので、703条と704条が普通に適用されます。そのため、返還する金銭には利息をつける必要があります。

 

 

Q 「善意」(32条1項後段)とは

行為の当事者双方が善意であることを指します。

一方が善意でも、他方が悪意であれば、同項後段の適用はありません。

 

 

Q 双方善意だったけど、転得者が悪意だったら?

当事者の双方が善意であれば、その段階で権利が確定し、その後の転得者が悪意でも、その悪意転得者は結果として保護されます(絶対的構成)。

善意の譲受人を保護した意味が無くならないようにするためです。

 

 

Q 身分上の行為の場合は?

身分上の行為であっても、財産上の行為と同様です。当事者双方が善意でなければ32条1項後段の適用はありません。

例えば、宣告後再婚した場合。

再婚当事者双方もしくは片方が悪意だったときには、前婚が復活します。そのため、重婚状態となります。

この重婚状態が、前婚については離婚原因となり、後婚については取消原因となります(770条、732条、744条)

 

 

3 同時死亡の推定(32条の2)

(1) 同時死亡の推定とは

複数人が同じようなタイミングで死亡した場合で、その数人の中で誰から死亡していったのかの順序が良く分からない場合の話です。

このような場合に、同時に死亡したものと推定し、その死亡した人同士の間で相続を生じさせないことで、法律関係を簡単に整理する制度です。

推定する」制度なので、反証があれば、覆すことができます

 

例えば、

f:id:asasikibu:20161111032704p:plain

ひとつの火災事故の中で夫と子どもの2人が亡くなったという場合で、夫が先に息絶えたのか、子が先に息絶えたのか、よくわからないとき。

(夫に尊属がいる場合ですけど、)夫と子のどちらが先に死亡したのかによって妻が相続できる財産が大きく変わります。

 

どっちが先に死んだかで妻の相続分が変わるってどういうこと?

・夫が死んだ1分後に、子どもが死亡した

→夫の財産が一度子どもと妻に相続される。そして、その子どもが相続した分を、子どもが死んだことによって、妻が相続する(結局、妻が全部相続できる)

 

・子どもが死んだ1分後に、夫が死亡した

→子どもが先に死んでいるので、夫の財産を子どもが相続することはない。夫の財産は、夫の両親と妻で分けることになる(上と比べて、こっちは妻の取り分が減る)

 

ざっくりだけど、こんな感じです。

 

 

 

(2) 同時死亡の推定の効果

死亡者相互間で、

ア 相続が生じない

イ 遺贈が生じない

ウ 代襲相続は生じる(「相続の開始以前に死亡」(887条2項)の「以前」には同時も含まれるから)

 

 

 

 

おやすみなさい

 

おわり

( ◠‿◠ )☛