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【頼むからもう】制限行為能力者に詐術を用いられたり、催告したのに無視されたり【勘弁して】

みなさま、ごきげんよう。

深夜のこっそり民法講座のお時間です。

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▼前回はこちら

asasikibu.hatenablog.com

 

今回は、なななんとっ!!!

前回と同じテーマ!最悪だね

飽きた人は、今すぐブラウザバック!

 

 

1-γ 意思能力、行為能力②

7 制限行為能力者の取引相手の保護

制限行為能力者の法律行為は、追認によって有効になったり無効になったりします。

つまり、効果が確定するまで、結局有効なのか無効なのかがちゃんと定まらない状態になります。なので、こういう人と取引した相手は、かなり不安定な地位にさらされて、勘弁してくれという感じになります。

そこで、こんなわりとドンマイな相手方の保護のため、民法では一定の制度が設けられています。

 

ア 追認擬制(125条)

イ 取消権の消滅時効(126条)

ウ 催告権(20条)

エ 詐術を用いた制限行為能力者は取消権を否定される(21条)

オ 後見登記制度による公示(後見登記等に関する法律)

 

(1) 催告権(20条)

催告は、催告をする相手が誰なのか、催告をするタイミングの2点で、効果が異なります。それから、催告をしたのに制限行為能力者側が無反応だった場合の効果も、重要です。

催告をされた制限行為能力者側の確答は、発信主義です(到達主義の例外、97条1項)。

 

ア 行為の当時は制限行為能力者であったが、催告の段階では行為能力者であるとき

相手方は、かつて制限行為能力者であった本人に対して催告ができます。

催告をしたが、確答がもらえず1か月経過したときは、追認したものとして扱われます。

 

 

イ 催告の段階においても制限行為能力者であるとき

 

未成年者

成年被後見人

被保佐人

被補助人

催告の相手

法定代理人

成年後見

保佐人

本人

補助人

本人

確答なく、

1か月経過

追認

追認

追認

取消し

追認

取消し

 

 被保佐人、被補助人の場合は、制限行為能力者本人に対しても催告することができます。未成年者、成年被後見人には催告をしても意味がありません(意思表示の受領能力が無いため、98条の2本文)。

 

 確答ない場合において、催告の相手が保護者であるときは、追認したことになります。催告の相手が制限行為能力者本人であるときは取り消されたことになります。

 

 

ややこしいなぁ( ◠‿◠ )☛

 

 

(2) 制限行為能力者が詐術を用いた場合(21条)

相手をだますような取引を行った制限行為能力者までは、さすがに保護すべき必要はありません。このような場合には、取消権が否定されます。

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行為能力があると信じさせるとか、制限行為能力者であるけど同意があるように信じさせるとか、そういうのも含まれます。

 

また、相手方の取引安全のための制度であるので、制限行為能力者が詐術を用いただけでなく、実際に詐術を用いられた相手方がその通りに誤信した、ということまで必要です。

だって、そういう信じちゃった人を保護するための制度だから。

 

 

Q 黙秘していただけでも「詐術を用いた」にあたるんですか(最判S44.2.13)

制限行為能力者であることを黙秘していた場合でも、それが、制限行為能力者他の言動などと相まって、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは、なお詐術に当たる

 

8 制限行為能力者が取消権を行使した場合の効果

(1) 効果

当該法律行為は、さかのぼってなかったことになります(遡及的無効、121条本文)

したがって、その取引によって取得した物はそれを所有する「法律上の原因」がないことになるので、互いに不当利得返還請求(703条、704条)を負います

 

(2) 現存利益の返還

制限行為能力者の不当利得返還は、現存利益のみです(121条ただし書)

 

本人は、自分が制限行為能力者であることを認識していることがほとんどなので、そうすると、悪意であったとして704条が適用されることになります。

しかし、それでは取消をためらってしまい、取消権を与えた意味がなくなるので、現存利益で足りるとしてあげました。めでたしめでたし

 

Q 制限行為能力者が取消した後、取引に関与した第三者の保護

A 177条、178条で解決する。登記の先後で決する。

(理由)取消しによって、所有権が戻ることを物権変動の一つ(復帰的物権変動)と捉えれば、対抗関係と考えることができる。

 

B 94条2項、192条の類推適用で解決する。

(理由)法定代理人に、速やかに登記等を回復しなかったという帰責性がある。そして法定代理人と本人は同視できる。だから、(本人単独では登記等の回復ができないとはいえ)本人の帰責性を考えることができる。

 

Q 制限行為能力者であり、かつ意思無能力者であるときはどうする?

A 二重効を認める。制限行為能力者として取消ししてもよいし、意思無能力として無効主張してもよい。

(理由)制限行為能力者の保護。無効も取消的無効なので、取消しとの差もないから不当というわけでもない。

 

B 二重効を認めない。制限行為能力者として取消しのみできる。

(理由)取引安全を保護。意思能力を一般法、行為能力制度を特別法の関係で捉える。

 

 

9 その他

(1) 成年後見制度の経緯

平成11年以前は、禁治産・準禁治産制度というものがあったのですが、自己決定の尊重・本人保護等に欠けるところがあったので改正されて、成年後見、保佐、補助が設けられました。

 

(2) 任意後見制度

法定後見(成年後見、保佐、補助)とは別に、任意後見制度というものもあります。

 

法定後見は判断能力が衰えてから利用できる制度です。それに対し、任意後見は判断能力を有する間に、判断能力が衰えたときの財産管理等を代理する委任契約を締結しておく制度です。

公正証書の作成が必要で、家庭裁判所任意後見監督人を選任したときにやっと効力が発生します。

 

(3) 登記

「こちらの方は、制限行為能力者ですので、のちのち取消されたりするかもしれませんから、注意しといてくださいね~みんな~」と、登記による公示制度を設けることで、取引安全を図っています。

ただし、登記証明書の交付請求者は、限定されています。本人のプライバシ―への配慮もされています。

 

10 住所(どうでもいいおまけ)

生活の本拠を住所といいます(22条)。複数の住所も認められます。

不在者(管理人も選任せず、財産を放置する者)がいる場合、国家が財産を管理します(25条1項)。その判断は、住民票などの形式ではなく、実質で判断されます。

 

 

 

以上です。

▼次回は、法人

asasikibu.hatenablog.com

 

 

おわり

おやすみなさい

( ◠‿◠ )☛