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国内女一人旅をしまくる元仲居のブログ

『ひきこもらない|pha(ファ)』の書評レビュー

 

phaファさんの『ひきこもらない』を読みました。社会不適合な生き方(悪口ではない)をしている著者のエッセイです。他にも著書が数冊あります。

 

phaさんは、京都大学を2年ズレて卒業し、就職はしたものの28歳で辞めて、そこからシェアハウスを立ち上げたりなんだかんだしながらフラフラし続けている方です。

 

はてな界では結構有名人です。

 

自分とところどころ考え方が似ていたりしておもしろかったので、シェアしたいと思います。社会に馴染めない人、馴染めなくはないけど苦しい人、そんな人にとってはこんな生き方もあるんだと気持ちが楽になる本かもしれません。

 

 

 

ぼくらはこんな風にしか生きることができない

目次を一部抜粋します。普通に”まとも”な生き方をしている人にとっては「なにそれ」と感じそうですね。

 

 

  • 夕暮れ前のファミレスで仕事がしたい
  • 街なかに居場所がもっとあればいい
  • 行くあてはないけど家にはいたくない
  • 旅と定住のあいだ
  • 小笠原諸島で何もしなかった
  • 野宿未満
  • ニートが熱海に別荘を買った話
  • 京都には世界の全てがあった

 

「良い大人がフラフラしてみっともない」そんな雑言を浴びせる社会人様がいらっしゃるかもしれません。行動の根底にあるのは、「しぬまでのヒマつぶし」だと思います。

 

「みっともない」とおっしゃいますが、そもそも誰も私のことなんて見てないんですよ。同じように、あなたのことだってロクに誰も見てない、気にされてもいないんです。

 

自意識過剰を辞めて、各々好き勝手にヒマをつぶして、そしてしねば良いのです。

 

旅に出たくなる理由

見慣れた日常を抜け出して、知らない土地で行われている別の日常を覗き見したくてしているようなところがある

 

僕がどこにでもあるような街を見るのが好きな理由は、多分確認して安心したいのだ。どこにも特別な場所なんてないということを。

 

旅をすると一瞬だけ日常から解き放たれたという解放感があるけれど、その気分は瞬間的な幻想で長続きはしない。

憧れていたものを実際に手に入れても、世界も自分も大して変わらなかった。人生を劇的に変えてくれる「何か」なんて存在しなかった。

 

別の場所にある別の日常を覗き見たい欲はちょっと分かるかも。

 

ここじゃないどこか違う場所へ行けば自分は変われる気がする、みたいな幻想を抱くのはモラトリアム時代の学生にありがちな妄想ですけど、実は大人でもそういう要素は少なからずあるんじゃないかと思ったりもします。

 

  • 「この学校じゃなかったら」
  • 「この会社じゃなかったら」
  • 「結婚相手がこの人じゃなかったら」

 

別の日常に憧れてるくらいだったら、たくさんの日常を実際に見に行っちゃえば、あんまり大したことないって納得できそうだなっていう、そんな感覚は何となく分かる。

 

旅の味

高速バスのターミナルの真ん中に立つと、「その気になればここからどこにでも行けるのだ」という万能感と、「一旦乗り込んでしまうともう簡単には戻ってこられないのだ」という不安感の二つを同時に持つことができて、そのなんとも言えないミックスされた気分が、すごく旅っぽいと思う。

 

私は一人旅を非常に良くするんですけど、出発するときの高揚感は、まさにこんな感じだったりします。

 

行く場所を決めないで出発するときもあるんですが、この「どこにでも行ける」という気持ちが、私は一番好きというか興奮するし、それと同時に安心もするんですよね。

 

人は無意味に耐えられない

人は無意味に何かが起こることに耐えられない。なぜならば、無意味を無意味としてそのまま受け止める心の強さがないからだ。

 

この世界なんて本質的に無意味で出鱈目でたらめなことがランダムにいろいろ起こっているだけなのに、人はどうしてもそこに理由や法則や誰かの責任や天の啓示を探してしまう。

 どんなに善行を積んでいても不意に落石で死んだりするし、悪行ばかり重ねている人間が長生きして天寿を全うしたりする。

 

世界というのはそのように理不尽でランダムで説明不能な単なる混沌に過ぎないのだ。

 

「無意味をそのまま受け止める心の強さがない」と著者は述べてますけど、一度無意味に慣れてしまえば、それはそれで縛るものがなくなるので、楽になると思うのです。

 

人生が全部無意味だと思うことが出来れば、いろんなことがどうでもよくなるはずですから。

 

真面目に生き過ぎてて日常に疲れちゃった人は、こういう全然違う生き方をしている人の話に耳を傾けてみるといいんじゃないかな。

 

 

おしまい。