養浩館庭園は、旧福井藩主・松平家の別邸として江戸時代に造られたものです。発掘された跡地の上に直接建築して復元しています。数寄屋づくりの座敷は、一般人でも入ることができるので、かつての藩主と同じように庭園の景色を眺めることができます。
また、養浩館庭園といえば、秋にライトアップされる紅葉の名所です。数寄屋づくりの中から幻想的な光景を楽しむことができるとあって、福井でも人気の紅葉スポットとして知られています。
養浩館庭園は数寄屋造の屋敷として有名な名園
養浩館庭園は、数寄屋造りの屋敷をそなえている庭園です。江戸時代中期を代表する庭園として、学術的にも高い評価を受けています。1982年には国の名勝に指定されました。
数寄屋の「すき」という言葉は、「好き」の当て字として広まったものであり、その意味は何かに執心すること、あるいは偏好することを表します。そうしたことから、型にとらわれず自らの趣向に合わせて自由につくり上げた建築のことを数寄屋といったり、あるいは、その「すき」が茶の湯と非常に関係深くなっていったことから、茶室とほぼ同じような意味としても使われることもあります。
▲養浩館庭園の拝観券。入園料金は大人210円。
養浩館庭園は1945年の福井空襲で建造物が焼失してしまいましたが、石組や構成が残っていたため、復元をすることができました。完成したのは1993年です。
養浩館庭園の紅葉ライトアップについて
養浩館庭園では紅葉の時期に庭園のライトアップを行います。2018年は下記の日程・要領で行われます。入園料は変わらず大人210円です。
- 平成30年9月28日(金曜日)~11月25日(日曜日)の金土日・祝・祝前日
- 17時00分~21時(入園は30分前まで)
※18時30分以降は東門からのみの入園となります(11月9日以降は東門のみの入園となります)
※日没後は、池周辺の回遊ができなくなります。
終日無料公開日は、第3日曜日・文化の日(2018年11月3日)・関西文化の日(2018年11月17日、18日)です。
養浩館庭園の見どころ
▲池に中之島を置いていないため、のびやかな水面が広がっています。とても穏やかな景色です。
「養浩館庭園」という名前は、松平春嶽によって1884年に名づけられました。
これは「人に元来そなわる活力の源となる気」、転じて「大らかな心持ち」を育むことを意味するようになった孟子の言葉「浩然の気を養う」に由来するといわれています。
▲清廉。ケヤキ造りの小亭で、藩主が休憩をしたり、庭園の鑑賞をしたり、お茶を楽しんだりする場所です。
▲大きな石をそのまま橋にしています。石の下には水がしみ込むように流れています。他の庭園では見られない珍しい造りです。
▲飛び石。よく見ると色の違う石が色とりどりに設置されているのが分かります。これらの石は福井県内で採られたものです。敦賀半島の花こう岩や、雄島の安島石が使われています。安島石は一乗谷の朝倉氏庭園でも使われています。
▲復元された養浩館庭園は、発掘された跡の上に直接建築しています。
屋敷から眺める景色は、当時の福井藩主が見ていた目線と同じ高さになってるんだよ。
▲櫛形の御間。池に張り出すように作られているので、窓辺から景色をながめると屋形船に乗っているような感覚になります。
▲御湯殿。建物全体に対してお風呂の占める割合は大きくなっているのは、くつろぐことを主な目的としている別邸だからです。総ヒノキ造り。御湯殿の床は上がり湯が排出できるように、中央に向かって斜めになっているのが特徴です。
池の西側にすのこが張り出すように造られているので、当時はここから福井城本丸が見えたと考えられています。
▲お月見の間。
▲鎖の御間の戸には、ニワトリの絵が描かれています。
「鎖」の名は一般的に、茶がまを吊る鎖、また、一日の内に座を移って茶を楽しむために茶室と書院をつなぐ意味合いに由来するといわれます。
▲養浩館庭園のスタンプ。設置場所は入園受付のカウンターです。上の段に「養浩館」、下の段に「庭園」と書かれています。
養浩館庭園の営業情報
- 開園時間:3月1日~11月5日 9:00~19:00、11月6日~2月末 9:00~17:00(入園受付は30分前)
- 定休日:12月28日~1月4日
- 入園料金:大人210円、中学生以下無料
- 無料公開日:毎月第3日曜日、文化の日、関西文化の日
- アクセス:福井駅から徒歩20分、コミュニティすまいるバス(田原・文京方面)「養浩館口江戸上町」で下車し徒歩1分