道後の湯と歴史を歩いて巡る、道後温泉ひとり旅

 

愛媛「道後温泉」は、四国の中でも屈指の人気を誇る温泉地。高知から高速バスで松山まで飛んできた私は、伊予柑色の市電に乗って道後温泉へと向かう。松山の公共交通機関は何かと伊予柑色に統一されていて地元民のみかん愛を感じる。松山市駅は思っていた以上に賑やかで活気があった。

湯の町への入り口、明治レトロな道後温泉駅と放生園が出迎える/旅始めに三湯めぐり手形と村めぐりスタンプ帳の準備

 

道後温泉駅に到着して真っ先に目に入るのが、明治時代の建築をそのまま再建している道後温泉駅。湯の町への入口がお洒落だと、この先の道後温泉めぐりが一層わくわくする。駅にスタバが合体しており、松山オリジナルのスタバ砥部焼マグカップ(5,500円くらいだった)が販売されていた。

 

 

駅すぐに観光案内所がある。道後旅の初めに立ち寄り、パンフレット類と必要なものを揃えた。まず三湯めぐり手形。本館・飛鳥乃湯・椿の湯の2か所ないし3か所すべてに行くと記念品がもらえる。

村めぐりスタンプ帳は、道後の町のいたるところにある銀色のスタンプボックスのスタンプを集められるようになっているもの。カウンターの係りの人に尋ねると奥から引っ張り出してくれた。たしか200~300円くらいで有料。

全30カ所を集めると「道後名誉村民」なる謎の地位が得られ、認定証がもらえる。1~13番目までは近郊コースとされ、温泉観光しているうちに自然と簡単に集められる配置。しかし、14番以降急激に訪問難易度が増すスポットばかりなので、なかなかコンプリートするにはハードモードな旅が強いられる特徴がある。今回は近郊コースだけでも集められたら楽しいなと思い、購入しておいた。((村めぐりスタンプ帳には有効期限がないので、一度に全部回ろうとしなくても大丈夫。気長に参加できる。))

 

観光案内所近くのカラクリ時計や足湯がある辺り一帯の広場は「放生園」と呼ばれる。かつて放生池と呼ばれた池が埋め立てられた場所。

カラクリ時計は8時から22時の間、1時間ごとに公演されている。長期休暇期間などには特別期間として多くの人が楽しめるように30分おきの公演になることもある。道後温泉本館がモチーフになっていて、動き出すと坊っちゃんの登場人物が出てくる仕組みになっている。運よくカラクリ時計が動き出すタイミングに2回ほど遭遇した。

 

道後温泉駅前にあるのはスタバだけではない。もう一つおすすめなのが白鷺珈琲。温泉水を使った料理、窓際からの景色、どれも温泉地へ来た楽しみを増幅させてくれる。店内の壁には大きく、坊っちゃんのマドンナが真っ赤で艶やかに描かれている。

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ハイカラ通りで名物食べ歩きとお土産選び

 

さっそくハイカラ通りの散策、もとい食べ歩きを開始。目星をつけていたお店を着々とクリアしていく。

 

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温泉街で名物を食べ歩くのには、何ともいえない充実感がある。特にその地域の特産物であれば、ぜひとも挑戦したいと思ってしまう。食べ歩きの通りで財布のひもが締められた試しがない。上記画像の太刀魚の棒巻き(谷本蒲鉾店にて購入)は非常に美味しいのでかなりおすすめする。

 

腹ごしらえは「道後 魚武」にて瀬戸内の海鮮が詰まったお饂飩を頂いた。他にも「宇和島鯛めし」「今治焼鳥」等々、愛媛の郷土料理が食べられるので旅人にはおすすめなお店。

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道後温泉の三湯をそれぞれめぐる

(左)道後温泉本館。(中央)飛鳥乃湯。(右)椿の湯。

道後温泉にはメインの温泉が3か所あり、その中でも最も有名なのは「本館」。せっかく来たなら本館だけではなく、3か所全部巡りたい。それぞれ特徴があり、違いを楽しむのも面白い。本館は工事中で1階神の湯のみ利用可能、飛鳥乃湯はお茶お菓子休憩コースがあり、椿の湯は地元民向けでお爺さんお婆さんが多め。各温泉の詳細は別記事を参照いただきたい。

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三湯それぞれ入浴したので、記念品を貰った。記念品は道後温泉タオル・飛鳥乃湯ポストカード・みかん石鹸のセット。椿の湯でみかん石鹸を購入していたし、本館で温泉タオル(みかん石鹸付き)を購入していたので真新しさはなく、なんか色々と被ってしまった。

温泉で火照った体を覚ましつつ道後の神社仏閣を巡って歴史と文学を味わう

 

道後温泉街では温泉を何百年も見守ってきた神社仏閣めぐりも合わせて楽しめる。湯神社→伊佐爾波神社→宝厳寺→圓満寺の順に湯覚まし散歩をしたが、途中「宝厳寺」はサボった。

村めぐりスタンプも設置されているのでぜひ行くべきだったのだが、ぐっと遠くの方までゆるやかに伸びる坂道が見え、少し疲れた体を甘やかし入口の墓標だけ撮って辞めてしまった。年齢を感じた瞬間であった(2年くらい前だったら疲れていても絶対行ってただろうに…。)。

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坂の上の雲の主人公のうちの一人、秋山好古のお墓が鷺谷墓地の中にある。さっと見学だけしようと思ったら、場所を探すのにかなり苦戦してしまった。墓の説明が、墓地入口からどう進むか書かれているだけで、そもそも墓地入口自体がどこなのか分からなかった。グーグルマップの案内でも、現在地から鷺谷墓地まで検索した徒歩ルートで示されたのが通れない道だったり、少々うんざり。謎の道を通ってようやく到着した。

鷺谷墓地の入り口(兼 村めぐりスタンプ設置場所)は「別邸朧月夜」と「ホテル椿館」の間の道を進んだ所にあった。これから行かれる方は、両ホテルを目印に探してもらえると良いと思う。

道後公園の築山散策と湯築城跡、松山が一望できる展望台の景色を堪能

 

道後温泉のすぐ近くにある道後公園は、元々湯築城があった一帯を整備し直した場所。生い茂る木々や、水が流れる内堀があり、自然豊かな憩いの場となっている。公園内にある湯築城資料館では、湯築城跡の御朱印(御城印)の頒布や百名城スタンプの設置がある。御朱印はデザイン性があって凝ったタイプのものが3種類用意されていた。うち1枚を記念に頂く。

湯築城は河野氏の居城跡で、数々の血気盛んな戦いの原動力になっていた土地。

 

公園内にある築山は頂上まで登ることができる。頂上といってもそこまでしんどくないので、余力があれば登ってみると松山を一望できる眺望が楽しめる。展望台右手方面には、山のてっぺんにある松山城が見える。天気が良く、風の香りが気持ちよかった。

湯釜薬師もぜひ見ておきたい。現在の道後温泉本館が作られる前まで、実際に使われていた湯釜が湯釜薬師として安置されている。行基作といわれる湯釜が残っていることに、歴史の積み重ねを感じる。

 

湯釜のすぐ傍に、松山が生んだ文学者・正岡子規の記念博物館がある。夏目漱石と正岡子規との交流関係が分かる資料が展示で詳しく紹介されている…らしい。というのも、またスルーしてしまったため入館していない。色々巡りすぎてその場ではもういいやと思っていても、後から後悔することが多い。子規記念博物館も、例に漏れず。

夜の道後もひと味違った魅力、道後サイダー片手に本館火の鳥プロジェクションマッピング鑑賞

 

 

夜は「道後サイダー」片手に、本館のプロジェクションマッピングを鑑賞。駅前のカラクリ時計もライトアップされていたが、やはりこちらには敵わない。15分ごとに公演されており、気軽に楽しめる。

気候が穏やかな時期だったこともあり、夏の夜の香りがして心地よかった。今年は夏祭りが軒並み中止となり、お楽しみが少ない世の中だけれども、こういう公演を夜に観ているうちに少しだけ夏の夜の花火の懐かしい気分を味わえた気がした。

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