宇奈月温泉周辺のぶらぶら散策を楽しめる見どころルートをご紹介します。宇奈月といえば、富山の山奥で温泉が湧いている以外に特に何もないところだと思われていることが多いですが、味わうスポットはたくさん潜んでいます。
宇奈月へいらっしゃる旅人は、ホテルや民宿に宿泊して温泉を楽しみ、あとは黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に乗って欅平まで行って帰ってきて終了、というイメージの方が多いと思います。
トロッコ列車に乗ることは確定で、その他に新幹線の時間までの間にぶらぶらしたい人など、もし帰りの新幹線までの時間つぶしにもうちょっとどっか見たいとか、もう少し宇奈月という土地を楽しみたいという方はこの記事を参考にしてくださいね。
宇奈月温泉駅前の温泉噴水にとりあえず触っておく
富山地方鉄道・宇奈月温泉駅の前にはシンボルとして温泉噴水があります。吹き出しているのは温泉で、周囲には湯けむりが立っています。
ここを通ったらとりあえず温泉噴水に触っておくのがセオリーです。湧き出ているのは、黒薙源泉です。お湯の熱さは60℃くらいありますので、注意。
駅の足湯くろなぎ
くろなぎは、宇奈月温泉駅のホーム上に設置されている珍しい足湯です。駅で電車を降りてそのまま利用もできますし、駅の外から利用することもできます。
黒薙源泉が引かれている足湯です。弱アルカリ性の単純温泉。足湯に浸かりながら、ホームに入ってくるレトロな地鉄やトロッコ列車を眺めてゆっくりできます。
▲富山地方鉄道。レトロな車体が素敵だ。
黒部電気記念館でトロッコ列車に乗った気持ちになる
トロッコの黒部峡谷鉄道 宇奈月駅の目の前にあるのが黒部電気記念館です。黒鉄の役員が定年を迎えた後の天下り先として作らr…いや何でもありません。
黒部ダムの話や、峡谷鉄道を開拓した男たちの歴史が刻まれている記念館です。入場無料です。
ここにはトロッコに乗った気持ちになれるアトラクションがあります。前方の映像がきちんと乗っているかのように流れるので、思いのほか楽しめるスポット。
宇奈月神社
宇奈月神社の歴史は1923年に始まります。峡谷開拓とともに移住者も増えてきた宇奈月ですが、氏神様が当時おらず、1927年に地元の方の協力によって創建されました。
静かで素敵な雰囲気が漂う神社です。普段は無人で、御朱印対応やお守りなどの頒布もありません。ゆったりした時間を過ごしに参拝してはいかがでしょうか。
宇奈月神社からすぐ、やまびこ展望台の方へ歩を進めます。
やまびこ展望台からあの橋を見渡す
やまびこ展望台は、黒部川の流れる様子やトロッコ列車が通るあの赤い橋をしっかりと見渡すことができるスポットです。特に、紅葉の季節の景色が最高なんですが、新録の中に生える真っ赤な橋を見るのも美しいです。
▲やまびこ展望台からはこのようにしっかりと橋が見えます。
やまびこ遊歩道を散策して宇奈月の自然を堪能する
黒部峡谷鉄道の宇奈月駅の横からやまびこ遊歩道へ入ることができます。ここから宇奈月の自然にまみれる散策をしてみましょう。
▲やまびこ遊歩道の入り口。
やまびこ遊歩道には、宇奈月ダム、もっと進めばとちの湯という温泉もあります。散策しながら、そういった施設も道すがらに組み込まれているので観光も楽しめちゃいます。
▲やまびこ遊歩道のマップ
道自体は険しくありませんが、山の中の遊歩道ということで、天候が悪い場合は閉鎖することがあります。積雪期間は完全封鎖していて、通行可能期間は4月26日から11月30日までとなっているので、ご注意ください。あと夜間も閉まってます。
▲昔、列車が走っていた橋が歩行者用に開放されており、そこから現在利用されている橋を通るトロッコを見学することができる。ちなみにここにいると、トロッコに乗っている乗客たちがなぜかこちらに向かって手を振ってくるので、優しい気持ちで振り返してあげよう。
▲遊歩道の途中は洞窟のようになっている。探検しているみたいでちょっとわくわくする。
洞窟を抜けて、緑の中を少し歩くと宇奈月ダムがあります。
宇奈月ダムでダムカードをもらう
宇奈月ダムの景色も素敵です。黒部川がエメラルドグリーンの素敵な色味なんですよね。宇奈月ダム管理所2階は情報資料館になっていて、誰でも見学することができます。ダムの周辺のカメラをいじれたりしておもしろいです。
情報資料館の入り口付近にダムカードが設置されているので、集めている方はセルフサービスで記念に1枚持って帰りましょう。
宇奈月ダムのすぐそばにある、こちらの美しい橋は「湖面橋」といいます。ダム建設時の資材運搬用に架けられた橋でした。これを渡ってさらにずんずん進んでいきます。
新柳川発電所
橋を渡ってしばらく歩くと、メルヘンなお城のような建造物があります。実はこれ、発電所なんですね。発電所の後ろには線路が引かれていて、時間帯が合えばここを通過するトロッコ列車にお目にかかることができます。
宇奈月温泉事件の記念碑
法律を少しでもかじったことがある人なら知っている、例の「宇奈月温泉事件」の記念碑があります。権利濫用を初めて明言した大審院の判例は、法学部生の記憶にうっすらと刻まれていることでしょう。
ちなみに、この事件で訴えられてた被告は黒鉄です(笑)揉めていた温泉管は、黒薙源泉を引いていたものだったみたいですね。
うなづき湖
記念碑からさらに奥へ進むと、視界が開けてうなづき湖の絶景が現れます。湖面の色といい、空の色といい、こんなに自然を満喫できるとは。そして山の中を走るオレンジのトロッコ列車に出会えればマジで最高です。
たまに猿もいます。
とちの湯
秘境みたいな場所にある温泉です。とちの湯の露天風呂からは、雄大なうなづき湖の景色を眺めることができます。本当にリラックスできます。ここまで散策して疲れた体を休めましょう。ひとっ風呂浴びて、汗を流し、自然に溶け込むようにお湯につかります。
至福のひとときですね。ただ露天風呂は、場所によってはたぶんトロッコ列車から見えてる気がするんで、女性のみなさんはトロッコが通過するときは気を付けてください(端に寄れば死角に入れます、笑)
150円でフェイスタオルを販売していたので忘れても大丈夫ですが、できればタオルは持参した方が良いですね。
帰りはEMUに乗ってラクしようという提案
宇奈月の街には「EMU(エミュー)」という電気低速バスが走ってます。宇奈月の駅周辺の温泉街を周遊するコースと、ダム&とちの湯コースの2つがあって、いずれも運転手さんに言えば、ルートの途中で自由に乗り降りすることができます。
とちの湯から再び歩いて帰ってもよいのですが、そろそろ疲れたなという方は、これのダム&とちの湯コースに乗って、宇奈月駅近くの足湯おもかげまで連れてってもらいましょう。無料です。
とちの湯発EMUの時刻表
<平日>
- 14:10
- 15:30
<土日祝>
- 11:10
- 14:10
- 15:30
※11月は土日祝も平日ダイヤになります。
便利なのですが、本数が少ないのが注意点です。1本逃してしまったら、歩いて帰った方が早いですね。
想影展望台
EMUの帰りの順路で通りかかる想影展望台もおもしろいスポットです。黒部川が眺められる展望台なのですが、形が超アート。
展望台へ行くまでの込み入った道も探検しているみたいで楽しいので、時間に余裕がある方は見学してみるといいかも。
宇奈月公園の与謝野晶子トロッコ歌碑
宇奈月公園には与謝野晶子さんの歌碑が建っています。
与謝野晶子さんもトロッコ列車乗ったということですよね。歌碑は通りの道路に面した、ちょっとわかりにくいところに建っています。EMUで帰っているときだったら、運転手のおじさんが説明してくれたりします。
樹徳寺で御朱印
EMUが到着するのは足湯おもかげ前です。樹徳寺は、そのすぐ道路の向かい側にあります。宇奈月で御朱印がいただける唯一のお寺(個人調べ)なので、せっかくですからいただいて帰りましょう。
住職さんがいらっしゃらなければ、書置きを郵送して頂けるので、設置されている台の申し込み用紙に必要事項を記入します。
詳しくはこちらの記事で確認してください。
宇奈月薬師寺のお湯掛け地蔵にご挨拶
宇奈月温泉の守り本尊であるお湯掛け地蔵は、樹徳寺のお隣にあります。下には温泉が湧き出ていて、その温泉を柄杓ですくい、お地蔵様にかけます。お湯を掛けた部位が良くなるという信仰が古くからあるようです。
足湯おもかげ
そのまま足湯おもかげでゆったり浸かって、宇奈月旅はフィニッシュです。全部回ると、途中のスポットでどのくらい時間を使うかによりますが、2~3時間くらいで巡ることができます。
ご紹介したところを全部巡らなくても、適宜自分が気になるところだけピックアップして楽しむのはもちろんありです。特に、宇奈月ダムへ行くところまではまあそんなにかからないのですが、「宇奈月ダム→とちの湯」間は結構なハイキング(道は平坦だが長い)ですので、時間と体力と相談の上、宇奈月観光を楽しんでください。
車椅子の人のルート
宇奈月温泉は、保養所っぽい温泉地ですから体を癒しにやってくる障害者・年配の方も多いです。そうなると、上でご紹介したルートを全部回るのは無理ですよね。
やまびこ遊歩道に至っては、入り口がいきなり階段ですし(エレベーターは一切ないです)山道ですからそもそも避けましょう。
ゆっくり休養しにきたのであれば、やはり駅の足湯「くろなぎ」を楽しみ、黒部電気記念館や宇奈月神社に参拝してみるとか、ゆるりとした巡り方がおすすめです。
もしくは、足湯「おもかげ」で浸かり、樹徳寺とお湯かけ地蔵に参拝して、宇奈月公園の与謝野晶子歌碑を見つつ、橋から美しい黒部川を眺めて風にあたるのも気持ちよさそうですね。