平泉中尊寺金色堂は、奥州藤原氏の黄金文化を残す建造物です。内部の豪華絢爛な金色堂はほぼ当初のまま現代まで残ってきたもので、国宝です。平泉は、2011年に世界文化遺産に登録されました。
- 「中尊寺」
- 「金鶏山」
- 「毛越寺」
- 「観自在王院跡」
- 「無量光院跡」
平泉はこれら5箇所が世界遺産の登録を受けており、世界的にも評価の高い場所です。
また中尊寺の中では各所で御朱印をいただけるようになっています。11箇所13種類の御朱印がありますので、御朱印をいただきながら境内を隅々まで巡ってみるのも楽しいでしょう。
CONTENTS
平泉中尊寺金色堂/黄金文化を目で楽しもう
▲中尊寺金色堂。
中尊寺は、850年に比叡山延暦寺の慈覚大師円仁が開山しました。四寺廻廊*1のひとつであり、東北の中でも特に歴史ある大きなお寺です。
中尊寺の中でも金色堂は1124年に造られたもので、現存する唯一の遺構であり、国宝指定を受けている最も貴重な建造物です。阿弥陀如来をご本尊として祀り、お堂全体が金箔でおおわれています。
五月雨の 降り残してや 光堂
「おくの細道」
松尾芭蕉もここで句を残しています。(五百年もの間、)毎年降る五月雨も、このお堂だけは降り残したのでしょうか。おかげで朽ちずにこんなにキラキラと輝いている…。そんな句です。
▲中尊寺の拝観券。中尊寺の境内は無料で見学できますが「金色堂・讃衡蔵・経蔵・旧覆堂」に入るには拝観料がかかります。この1枚(大人800円)で全て見られます。拝観券は、讃衡蔵で販売されています。
金色堂には、藤原三代(清衡公・基衡公・秀衡公)の棺が納められています。また、金色堂内部に御朱印所があり、こちらでは見開きの豪華な御朱印を頂くことができます(※金色堂内で御朱印帳を購入した場合)
清衡公が20年もの歳月をかけてつくった金色堂は、1962年から8年間かけておこなわれた昭和の大修理によって装飾が復元されました。そのときに使用された金箔はなんと3万枚です。
讃衡蔵/3体の丈六仏に見る平安美術
讃衡蔵も国宝です。むずかしいネーミングですが、「衡」の字は藤原三代(清衡・基衡・秀衡)から取ったものです。藤原三代を「讃」える宝蔵という意味なんですね。讃衡蔵の中には、3000点以上の資料が保存されています。中でも、平安時代につくられた三体の丈六仏が一番の見どころです。
- 阿弥陀如来(中央)
- 薬師如来(両端)
丈六仏とは、高さが一丈と六尺(4.85m)の仏像のことです。座っている像であれば、この半分の高さで丈六仏にあたります。丈六仏よりも大きい仏像を「大仏」といいます。讃衡蔵の中にも御朱印所があります。
経蔵/中尊寺の経典を納めていたお堂
経蔵は、中尊寺の重要な経典を保管していた場所です。平安時代の古材をつかって鎌倉時代に再建されました。経典は現在、讃衡蔵の中に収められています。
松尾芭蕉の奥の細道に「経堂は三将の像を残し」[1]実際には三将の像などなかったらしいです。藤原三代への弔いの気持ちから厳かさを演出するための芭蕉の創作と言われています。との記載で登場する場所です。
旧覆堂/金色堂を守るために建てられたお堂
旧覆堂は、金色堂を雪や風から守るために建てられたものです。松尾芭蕉はこの中で金色堂に参拝したといわれています。旧覆堂のすぐそばに、松尾芭蕉の銅像があります。
▲弁慶堂から見える、岩手の景色。
中尊寺で御朱印が頂ける場所
金色堂や讃衡蔵以外にも、中尊寺の境内には御朱印がいただける場所がたくさんあります。
弁慶堂の御朱印
月見坂(中尊寺の参道)を歩くと最初に参拝することになる弁慶堂(=愛宕宮)、総ヒノキづくりの建物です。お堂には仁王立ちの弁慶像が安置されていますので、よく見てみましょう。
地蔵堂の御朱印
地蔵堂では2種類の御朱印がいただけます。いずれも書置きのみです。
薬師堂の御朱印
薬師堂のすぐ傍にある授与所で御朱印がいただけます。
中尊寺本堂の御朱印
本堂は、中尊寺の中心となる道場です。釈迦如来がご本尊として祀られています。お堂内には「不滅の法灯」があります。これは比叡山延暦寺から分火されたもので、最澄の時代から1200年間うけ継がれてきた灯です。
▲中尊寺本堂の御朱印と御朱印帳
▲四寺廻廊の御朱印帳
本堂の左手にある授与所で御朱印がいただけます。
不動堂の御朱印
不動堂の入り口手前に御朱印所がありました。以前は不動堂に御朱印はなかったので、新しくできたのかもしれません。
峯薬師堂の御朱印
峯薬師堂は、目にご利益があるといわれているお堂です。金箔でつくられた薬師如来がご本尊として祀られています。元々こちらに祀られていた薬師如来は、讃衡蔵に移りました。
大日堂の御朱印
大日如来を祀っています。
阿弥陀堂の御朱印
讃衡蔵のちょうど向かいあたりにあるのが阿弥陀堂です。すぐ横の授与所で御朱印がいただけます。
弁財天堂の御朱印
弁財天堂に祀られている弁財天は見た目が "可愛い" のでぜひ見ていただきたいです。ちょっとぽっちゃりしています。
弁財天堂でも御朱印がいただけます。以前は経蔵の御朱印もこちらで頒布していたのですが、現在はやっていないようです。
白山神社の御朱印
中尊寺の境内には白山神社があり、こちらでも御朱印の頒布があります。拝殿左にある授与所でいただけます。
中尊寺の駐車場/混雑状況について(料金と無料駐車場)
▲中尊寺第一駐車場
中尊寺の駐車場は、周囲に大きなものがいくつかあります。
- 中尊寺第一駐車場(坂の上駐車場)/148台
- 中尊寺第二駐車場(坂の上駐車場)/322台
- 毛越寺駐車場/330台
- 臨時駐車場/150台
一番混雑するのは、中尊寺第一駐車場です。中尊寺の参道入口に最も近い駐車場で、土日祝日だとすぐ満車になります。ただし、大型の駐車場で係の人が常にいるので回転も早く、ちょっと待ってればすぐ空くと思います。
中尊寺第一・第二駐車場の料金は普通車400円、毛越寺駐車場の料金は普通車300円です。中尊寺に行く場合、毛越寺駐車場は遠いのでおすすめできません。臨時駐車場は無料ですが、不定休です。
平泉中尊寺の参拝情報
- 3月1日から11月3日まで、8:30~17:00/11月4日から2月末日まで、8:30~16:30(10分前に受付終了)
- 拝観料:境内は無料、金色堂・讃衡蔵・経蔵・旧覆堂は有料(大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円)
*1:慈覚大師円仁が開いた4つのお寺のこと。平泉中尊寺・毛越寺、松島瑞巌寺、山寺立石寺。
References
↑1 | 実際には三将の像などなかったらしいです。藤原三代への弔いの気持ちから厳かさを演出するための芭蕉の創作と言われています。 |
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