静岡県熱海にある「来宮神社」は、熱海の中でも非常に有名な神社です。特に巨大な大楠を目当てに参拝する人が絶えません。大楠は樹齢2000年を超えていて、周囲を一周まわると願いが叶うといわれています。
「心さやかに参拝できる環境づくり」をスローガンに掲げている来宮神社では、参拝者にとって心地よい神社づくりを邁進されています。おしゃれなカフェや綺麗な御朱印帳、お土産に「こがしまんじゅう」など、人気の商品が盛りだくさんで提供されています。
目次
来宮神社の御朱印と御朱印帳|下手とかひどいとか変な噂がありますが
来宮神社の御朱印に対してネガティブな書き込みが以前はあったようですが、楷書できれいに直書きしていただけます。特段違和感もなく、美しい御朱印です。
来宮神社の御朱印
来宮神社の御朱印
「熱海 来宮神社」の文字に、来宮神社の印、その下には大楠天然記念物と書かれた印が押されています。
来宮神社の御朱印帳
来宮神社の御朱印帳(1500円)
来宮神社のシンボル「大楠」を全面にデザインした御朱印帳です。グリーンの色合いも、森の中に大楠が佇む様子を表現しているようで素敵です(背景色はグリーンとイエローの2種類ありました)。
以前はよく在庫切れになっていることがありました。電話で確認してから参拝をする人もいたようです。現在では、基本的にしっかり在庫が用意されていて、品切れに遭遇してしまうことは少なくなったようです。
来宮神社の歴史
来宮神社は、平安時代初期に坂上田村麻呂が必勝祈願をした神社といわれています。漁師が網にかかった木像を祀ったのが、来宮神社のはじまりとされる逸話も残ります。
平安時代の武将で、征夷大将軍として朝廷と敵対していた蝦夷(現在の東北地方)を討伐した人物です。
「征夷大将軍」とは、蝦夷討伐の為に組織された軍隊の大将のことで、大和朝廷の役職名です。いざという時に、臨時で置かれる役職でした。
禁酒のご利益
来宮神社拝殿
「来宮」は「忌の宮」と読めることから、悪い縁を断ち切る神社としても、信仰を集めてきました。これにちなんで、酒を断ち切るとして禁酒のご利益があるとされ、全国でも珍しい「酒難除」お守りが頒布されています。
酒難除は来宮神社でも人気のお守り
来宮神社の神様はお酒が好きで呑み過ぎて災いが起こり、反省して禁酒をしたという逸話もあるらしいです。親近感が湧きますね。
他にも「むし除守」などのお守りもあり面白い
楠に防虫効果があることから作られた「むし除守」ですが、本物の虫を除けるというよりは、悪いもの・災難を虫にたとえて(浮気虫、腹の虫、賭博虫などなど)災いを寄せ付けないための守護として人気です。
「悪い虫がつかないように」等々いわれることもありますが、人間関係で変な虫がついて困っている方にも、おすすめできそうです。
来宮神社の見どころ
大鳥居をくぐると、木々に囲まれた自然あふれる参道が続きます。女性の参拝客が多く、境内はきれいに整備されています。
大鳥居
大鳥居
大鳥居をくぐると緑に囲まれた美しい参道があります。
美しい参道
いたるところに撮影用スタンドがある
撮影用のスタンドが各所に点在していて、観光としても楽しめるように配慮がされています。
御神水取り
御神水取り
来宮神社では御神水取り(お水取り)をすることができます。このお水を飲むと、健康祈願・運勢開運となるそうです。
社務所で初穂料1000円を納めて、自分で汲み取ります。
社務所で初穂料1000円を納める必要あり
拝殿と落ち葉のハート(猪目)
来宮神社の拝殿前には、このような落ち葉でつくったハートに出会えることがあります。神職さんや巫女さんが作っているそうです。
写真映えでかわいい…ということもありますが、実はこれはハートではなく「猪目」といって、古来から使われている魔除けの模様です。
ハートを逆さにした模様。猪の目に似ていることから、猪目と呼ばれるようになりました。魔除けをして、福を招く意味を持ち、古来から使われてきました。伝統的な日本の建築物などに、必ず見られる模様です。
授与所
来宮神社授与所
拝殿向かって左側におしゃれな建物があり、こちらが授与所です。中で、御朱印・お守り等の頒布がされています。
授与所には、アロマの香りが漂っていました。楠から採取した香り・カンファーとブレンドされた精油が「来宮神社オリジナルブレンド」として販売されています(セット¥1900)。
ヒノキの香りとブレンドされていて、気持ちを落ち着かせたいときに焚いてみるとよさそうです。
大楠のスタンプもありました。
授与所に設置されていたスタンプ
大楠のスタンプ
例大祭「熱海こがし祭り」の神輿
来宮神社例大祭の説明書
来宮神社の境内には、例大祭で毎年使用されるお神輿が展示されていて、見学することができます。
御鳳輦(ごほうれん)
御鳳輦(ごほうれん)7月16日に使用される
拝殿の向かって右側にはお神輿があります。このお神輿は、毎年7月14日~16日に開催されている来宮神社の例大祭で使用されるものです。
上記のお神輿は7月16日に毎年四十二才の男子が担ぎ、「みょうねん」と唱えながら町中を練り歩き、浜から海へ入ります。
神事の様子
宮神輿渡御(みやみこしとぎょ)
宮神輿渡御(みやみこしとぎょ)7月15日に使用される
授与所の中にもお神輿が展示されています。こちらは例大祭期間中の7月15日に使用されます。江戸時代末期に作られた古いお神輿で、氏子の青年が熱海の町を町内ごとに橋渡しをしながら担ぎまわります。
末社・来宮弁財天
徳川家の武臣が金華山の弁財天を参拝したところ、出世を果たしたとされ、これにあやかって立身出世・健康のご利益が信仰されています。
安置場所が度々移されてきましたが、当時疫病が蔓延していた熱海の地を鎮めるために、来宮神社に祀られることとなったそうです。
末社・来宮稲荷社
赤鳥居が美しい
連なる赤鳥居の前はフォトスポットになっていて、撮影用のカメラ台が設置されています。
来宮稲荷神社の拝殿
京都の伏見稲荷神社から分霊が移されました。五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・諸願成就のご利益があるとされます。
末社・三峯神社
三峯神社
埼玉県の有名な神社「三峯神社」から分霊が移されました。盗賊や災難から守る神として「お犬さま(※狼のこと)」として信仰されます。
三峯神社の近くには第二大楠がある
来宮神社末社七社
令和4年8月に、焼失していた末社七社の社殿が再建されました。
昭和7年の不審火によって焼失してしまい、約90年の時を経ての復興です。7社がずらりと並ぶ姿を拝観することができます。
- 小童社(しょうどうしゃ)
- 秋葉社(あきはしゃ)
- 神武天皇社(じんむてんのうしゃ)
- 八坂神社(やさかじんじゃ)
- 雷電社(らいでんしゃ)
- 床浦社(とこうらしゃ)
- 柿本社(かきもとしゃ)
来宮神社特製!麦こがしまんじゅう
こがしまんじゅう5個セット(500円)
麦こがしは、例大祭の「熱海こがし祭り」で使われる特別なお供え物です。例大祭では猿田彦命が麦こがしを撒きながら、熱海の町を闊歩しています。
関わりの深い麦こがしの粉を使ったお饅頭が、熱海来宮のお土産として大人気です。ほんのり甘く上品な味わい、大麦に火を入れてこがしてから挽いたもので、香ばしい香りがします。栄養もあり、お土産としても喜ばれます。
境内のカフェやお休み処で購入できますが、午後には売り切れていることもあるのでお早めに。
製造元は「来の宮健康パン」で、来宮駅から来宮神社への道中に店舗があります。こがしまんじゅうは来の宮健康パンでも販売されていますので、もし境内のカフェで売り切れだった場合は、こちらにもぜひ寄ってみてください。
ひっそり佇む名店です。
- 9:00~19:00
- 水曜定休
- 0557-81-3378
- 来宮神社から100m程度の場所
樹齢2000年!幻想的な大楠でご祈願
樹齢2000年以上とされる大楠が、来宮神社の中で最も有名なスポットです。高さは約26m、ビルの8~9階相当です。
幹のまわりは24mあり、本州No1の大きさだといわれています。
大楠の周りを一周すると「寿命が1年伸びる」、願いごとを誰にも秘密にしながら一周まわると「願いが叶う」といわれ、祈願に訪れる人が多いです。まわり方は右からでも左からでも、どちらでもよいそうです。
大楠の周りを歩いて周れる遊歩道が整備されている
「大楠のど真ん中には、ヘビが巻き付いているように見える」「右下に龍が登っているように見える」など噂がいくつかあるので、自分の目で確かめてみましょう。
大楠は天然記念物
大楠の夜間ライトアップ
来宮神社の大楠は、「Kodamaプロジェクト」として夜間ライトアップされています。木漏れ日が差す昼間も素敵でしたが、夜はさらに幻想的でロマンチックです。
ライトアップは、毎日陽が落ちてから0時まで、年中無休です。
来宮神社ではカフェも人気!
来宮神社は境内に複数のカフェがあります。参拝するだけではなく、参拝自体を楽しい思い出にするために、さまざまなスイーツやドリンクが提供されています。
おしゃれな店内も素敵ですが、テラスも用意されていて、外でのティータイムがおすすめです。幻想的な境内の自然の中で、美味しいスイーツをいただけるとあり、大人気です。
茶寮 報鼓(拝殿近く)
社務所の隣にはおしゃれなカフェがある
参拝客が集う場所として、拝殿の近くにカフェが設けられています。麦こがしスイーツや抹茶が楽しめます。境内で食べ歩きや、写真撮影ができるよう、持ち歩きが簡単にできるスタイルで提供されています。
大楠 茶寮・五色の杜
緑の中のテラスが素敵な「五色の杜」
大楠の傍で休憩ができる「茶寮・五色の杜」
大楠の傍にある休憩所は「五色の杜」といって、500円で抹茶セットを頂くことができます。「祝の菓子」は、麦こがしの落雁です。
社務所の隣のカフェでお土産として買うこともできます。抹茶の器を自分で選べるのが楽しいです(※雨天休業の場合あり)
来宮神社へのアクセス
レトロな外観「来宮駅」
来宮神社へのアクセスは、来宮駅から徒歩で5分程度です。改札を出て左の道を進み、高架下をくぐります。
こちらをくぐると、目の前に来宮神社があります。
来宮神社の基本情報
- アクセス
- JR伊東線「来宮駅」徒歩5分
- 駐車場
- 無料あり(台数少ない)
- 来宮駅前に有料駐車場あり(100円/1h)
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